12アーキタイプの4番目「蟹座・月・4ハウスのエネルギー」についてまとめます。
必ずしも太陽星座(サイン)が蟹座じゃなくても、誰の中にも「蟹座」とその支配星である「月」のエネルギーを持っています。
しかもその影響は「太陽」と同じか、もしかしたらそれ以上と言ってもいいくらい。めちゃくちゃ大事なエネルギーです。
なぜなら、この地球上で暮らす人が「人らしく」あるために欠かせない「心」や「感情」という、とても情緒的なエネルギーが「蟹座」の支配星である「月」だからです。
さて、アストロロジー(星読み)は「人」のエネルギーだけじゃなく、「国」や「社会」や「組織」の持つエネルギーにも通じます。その場合、月はわたしたち「個人」を表します。
もちろん月だけに限らず、どの天体も(太陽だって、火星だって)国や組織や会社などの運命や方向性に大きく影響します。
だから星読みは古今東西、国の情勢や、組織の方向性・運勢などの判断材料とされていて、統治者や権力者たちの必須アイテムだったんですね。
では、「蟹座」「月」の説明、いってみます。
支配星は月、「女性性」「活動宮」「水」のエレメント
まず、基礎知識から書いておきます。
※ホロスコープではサインを2~4に分割してグループ区分をします。 2分割は「男性性(出)/女性性(受)」または「陽/陰」と分けます。 3分割は「活動宮」/「不動宮」/「柔軟宮」と分け方ます。 4分割は「火」/「地」/「風」/「水」のエレメントで分けられます。 |
ひとつ前が「男性性」エネルギーだった「双子座・水星」でした。
その次の「蟹座・月」は女性性で「内側」に向くエネルギーです。
「活動宮」は、季節の始まりの時期を表します。物事をスタートさせ、前に進めるエネルギーです。
また、喜怒哀楽を出すべき時はしっかり表現し、他者と関わりながらエネルギッシュに現実を動かしていこうとするパワフルな行動力があります。
行動ありきなので、マイナス面としてはややモノゴトが大雑把になりやすい傾向がありますが、停滞しがちな状況を打破してゆく力があるのがこの「活動宮」です。
「水」は「感情」を表します。
心と心を通い合わせ、混じり合わせる作用があるのが「水」です。「繊細」で「感情的」「受容的」なエネルギー。情緒的で優しさと思いやりがあり、心理的表現力が豊かなことが特徴です。内省的で一見物静かですが、内面には激しさや強さも持っています。
蟹座・月のアーキタイプ物語
さて、12星座というのは、1番目の牡羊座から始まって12番目の魚座まで、順にストーリーとして展開しているんですね。
どんなストーリーかと言うと、お母さんのお腹から生まれてから、この地球での生涯を終えて星の世界に帰るまでの、人間世界の成長過程の物語なんです。
人生では、いろんな年齢や環境によってさまざまなテーマや学びがありますね。それを1から12まで順番に追っていくのが12星座の物語です。
西洋占星術では、人はその12テーマを螺旋階段状に順に進みながら、魂や心を成長させてゆくと考えています。なので、誰かの人生のテーマや課題を読むというのは、その人が成長過程のどのテーマに取り組んでるのか、というのを見るわけですね。
1番目の牡羊座は、この世に人として生まれてきた「自分とは何者か?」を探してゆくテーマです。
2番目の牡牛座は、その前の牡羊座で突っ走って、頭から壁に激突して初めて「痛い!」と感じた経験をもとに、自分の体感覚を通して「自分の好き」や「自分の価値」などを探してゆくのがテーマでした。
3番目の双子座では、その前の牡牛座でゆっくりのんびり自分の創作活動にのめり込みすぎて、この地上で絶対に避けられない迫りくる危険に気づけなかった経験を通して、もっと人とつながって情報の伝達や学ぶことを知り「生きるための知識を身に付けてゆく」のがテーマでしたね。
そして、次の4番目の蟹座は、ひとつ前の双子座で外ばかりに目を向け、人脈も情報も浅く広くただやみくもに広げはしたけど、でも何も残せなかったという経験を経て、今度は少し落ち着こうと、また内側に目を向けてゆきます。そして、自分が本当に大切に思える人や物事だけをゆっくり丁寧に育んでゆく過程を通して、大切に思うという「感情や情緒を育てる」のがテーマです。
「蟹座・月」アーキタイプが強いのはこんな人
蟹座というのはよく「母性愛」や「家庭的」と表現されます。まさに母親が我が子を自分の腕の中にしっかり抱えて、守り、大切に育ててゆくようなエネルギーです。
蟹は、外側の固い甲羅で内側の柔らかくて繊細な内蔵を守っていますね。蟹の甲羅の内側には、子どものように弱くてはかない、でも絶対に大切に守り抜きたいものがあるわけです。
それは、自分自身の感情や、大切な家族や仲間、友人、そして過去の思い出や、なにより自分が安心してくつろげる場所など。
つまり、デリケートで、 しかも慎重に丁寧に中に入れておかないと何かの拍子にどっと溢れ出てしまいそうなものばかり。だから、蟹座は固い甲羅の内側でそれらをしっかり守っているのです。
つまり蟹座の固い甲羅の内側にあるのは、傷つきやすい繊細な「心」。 そして溢れんばかりの豊か過ぎるほどの「感情」と「愛情」なんですね。
だから、「蟹座・月」のエネルギーが強い人は、自分が安心してくつろげる場所や家族、環境や仲間を愛情込めて作り、そしてそれを「守る」ことがテーマなんです。
それは自分だけの安心感のためではなく、心の通い合う家族や仲間の一人一人に居心地よくいてもらいたいという母親のような優しい想いからで、だからこそ献身的に世話をしたり無償の愛情をかけて面倒を見たりします。
これが時々、世話焼き母さんを通りこしてお節介しすぎになってしまったりもするんですけどね。でもそれが、海より深い母の愛ってことなんですね。
その深い愛情は、必ずしも家族というこじんまりとした単位だけではなく、仕事仲間から地域社会、社会全体から国家、国々から世界全体というふうに、どんどん幅を広げてゆきます。まさに地球全体を、穏やかな慈悲・慈愛で包み込むのが「蟹座・月」のスケールの大きなエネルギーなんです。
なぜなら「心」や「感情」を大切にするエネルギーなので、やはりそれが地球を癒すほどの大きなパワーの源なんだと思います。
みんな「月」が大好きで魅了されますもんね。
さて、気さくで、親しみやすくて、誰からも頼られる太っ腹母さんのイメージもあったりするので、まず敵は作らないタイプなのですが、小さな子どもにとっては、怒らせたらめちゃくちゃ怖いのもお母さんだったりしますね。また、動物の世界でも、子を襲おうとする外敵には、母親は容赦なく全身全霊で反撃しようと果敢に向かってゆきますね。
「蟹座・月」には、実はそんな破壊的な強さも備わっているのです。意外なんですけど、そうなのです。何かを「守る」という本能には、強さが欠かせないのです。
蟹座は「水」の要素の星座です。「水」は「感情」を表すんですね。川や海は、穏やかな時は癒しや恵みを与えてくれますが、一旦荒れ出したら手が付けられないような大洪水や津波となって、すべてを飲み込んでしまう恐ろしさがありますよね。「感情」も全く同じですね。一旦荒れてしまったら、手が付けられなくなることもある。だから、蟹座の中にはそんな強烈なパワーも、実は内包しているわけなんです。
「太陽」と同じくらい大切な「月」との付き合い方
わたし達全員がみんな持っている「月」のエネルギーですが、これは「太陽」と同じくらい大切だと書きました。
「太陽」は日中、社会でよそゆきの時に「意識的に」使うエネルギーです。
「月」はプライベートな場面で、素顔の自分の時に自然に「無意識に」使ってしまっているエネルギーです。
つまり、「太陽」は意識してないと使えません。意外かもしれないんですけど、そうなんです。
でも月は、フッと力を抜いてしまうと無意識に出てきてしまうエネルギーなんです。ってこりは、つまり「太陽」よりその使用時間は長いとも言えます。だって、日々の生活の中で、どれくらい自分の行動を「意識的」にしてるでしょうかね?
つまり、だからこそ、一番長く、無意識に使ってしまうエネルギーなので、自分はどんな「月」のエネルギーを持っているのかな、と意識してみてることをおススメしたいのです。
なぜなら、それが「癒し」になるからです。「月」は自分の繊細でもろい感情を癒してくれるエネルギーだからです。
自分の無意識、つまり潜在意識を癒すパワー、または秘訣が「月星座」にあるということです。
ご自分の月星座を知って、その星座のキーワードを意識することで、感情や潜在意識の癒しがうながされると思います。
「太陽」と「月」は対のエネルギーです。社会で自分の「太陽」を輝かせたいと思ったら、プライベートの部分の「月」を癒すことでメリハリが出て、太陽がより一層輝いてゆくかもしれません。
もし、月星座が分からなければ、自分は何が安心するのか、どうすれば安らぎを感じるのか、そんな自分の微細な感情に耳を傾けてあげることでも十分です。つまり、自分の感情に敏感でいること。これが、わたしたちの心の健康には本当に大事なことですね。